GAMO KANSAI WEB MAGAZINE

販促・ブランディング

ガモウニュースVol.77の撮影の舞台裏☆ snob 金谷 二郎 氏

Editor

梅村 直顕

2016.08.09 Tue

GAMO NEWS Vol.77、お手元に届き始めていますでしょうか。
今号のテーマは、「nature beauty」

カバー&グラビアページの撮影は、ガモウ関西スタジオ(京都)にて行われました。
手がけられたのは、snobの金谷 二郎 氏です。
それでは、ライブ感溢れるメイキングの模様とインタビューをお楽しみください!


snob 金谷 二郎さんがイメージする「nature beauty」とは


今号のテーマが「nature beauty」に絡めて、ナチュラルや抜け感といった今のトレンドや時代性を踏まえつつ、1人の女性の2サイド(二面性)を表現。2サイドと言っても、ただ強い、弱いといった極端な対比ではなく、強さの中に少し優しさが垣間見えたり、優しさの中に凛とした芯の強さや、清々しさを感じさせるような女性像をイメージしました。

また、今回は、これまでのガモウニュースではあまり行われていない撮影中にカットとカラーを行う試みも行っています。
その分、カット数は少ないのですが、ひとつの表現方法として、ライブ感のようなものが皆さんに伝われば嬉しいです。



□表紙作品



□中面の作品(右)



□中面の作品(左)




カットテクニック


表紙の作品は、ボブでも重さがしっかりあるスタイルシルエット。中面の作品では、少し段差をつけて重さの中に軽さが垣間見られる、重軽のスタイルシルエットに仕上げています。

カットは、スライスやセクションにこだわっています。
頭は球体なので、斜めスライスで骨格の形に合わせ、少しずつ角度を変えて切り進んでいくとキレイな形が出しやすくなります。それがスタイルの持ちや再現性を一番高く表現できることにもつながるのです。

今回のモデルさんの似合わせのポイントは、顔周りにかかってくる毛の分量と顔に対してのレングス設定です。
実際に目で見る立体とファインダーを通して見る平面では見え方が違ってくるので、そこを予測しながら、こういうラインで出した方がモデルさんの顔がクールに見えるかな、優しさが出るかなと考えながらカットしています。

サロンワークでも、お客様は最後に鏡を通して(平面で)フィニッシングを見ることになります。そういう意味でも、作品撮りを行っているとお客様に対しても良いデザインが提供しやすくなると思っています。







カラーリングテクニック


ベージュ系(表紙の作品)のカラーから、オレンジ系のカラー(中面の作品)にカラーチェンジしました。

使用したのは、ルベルの塩基性カラー剤「ロコル」です。アメイジングラインのピーチとハニー、クリアを混ぜています。
クリアを混ぜることで、ビビット過ぎない柔らかなニュアンスが表現できますし、しっかり芯まで染まっている感じがします。

トリートメント系のカラー剤なので、質感もツヤが出てすごく良いですね。
また、放置時間がマックス10 分と反応が早いのが特徴なので、今回のように時間が限られている撮影はもちろん、サロンワークでもお客様に提供しやすいカラー剤だと思います。







対比の面白さを感じてほしい



表紙の作品は、ストレートタッチの直線的なラインでドライ仕上げ。中面の作品は、ロットでから巻きをした曲線的なラインでウェット仕上げといった、直線と曲線、ディティールや質感の違い。

また、コスチュームは黒と白。背景は、光と影で対比させ、女性の内面的なニュアンスを表現しています。
ヘアがひとり歩きするのではなく、ファッションフォトとして、皆さんにどう感じてもらえるかということを考えながら作りました。






スタッフ全員で作品撮りにチャレンジしています


snob は、フォトコンに向けた作品撮りを年間スケジュールに入れていて、新人を含め、スタッフのほぼ全員が取り組んでいます。
僕も入社2年目から挑戦してきました。過去にオーナーがJHA でグランプリを獲得してから、優秀な人材が入り、店が盛り上がっていったという経緯があるので、それを後輩たちにも良い形で引き継いでいきたいという気持ちがあります。

コンテストにチャレンジすることで、上手くいった時は達成感が得られますし、上手くいかなかった場合でも、自分の中にある原因が見えてきます。
準備の甘さ、モデルさんに対しての似合わせの甘さ、現場対応が上手く出来なかったなどを経験することは、サロンワークの中だけでは得られにくいものです。

それに、僕ら美容師の仕事は、時代の流れやトレンドが常に変化していきます。
お客様のヘアデザインだけではなく、常に自分の表現を追求し、クリエイティブな作品を作っている人のほうが、引き出しも増え表現の幅が広がるので時代の変化にも対応できます。そう後輩たちには伝え、「皆でやっていこう!」と呼びかけています。
僕ら世代が後輩たちをフォローしながらやっているのですがサロンワーク以外でもコミュニケーションを図ることができるので、色々な面でメリットを感じることも多いですね。

ホームページでもスタッフのクリエイティブ作品を掲載し、興味をお持ちのお客様にはブックもお見せしています。こういう作品も作れて、コンテストなど色々な経験をされてい る人なんだなという期待感や安心感をお客様には持っていただけているのかなと思います。





美容師はテクニックやセンスを常に磨かなければならない


美容師歴は今年で23年目になります。
お客様の頭の形、髪質、要望に合わせたカットをして喜んでいただきたいと挑戦してきて、お客様もついていたのですが、もっと出来るのではないかという想いは、10~15年目ぐらいまではどこかに残っていました。
毎日、たくさんのお客様を切らせていただくことで、少しずつですが、経験値が上がり、地道にスキルアップをしてきて、本当にお客様に喜んでもらえるようになったと自分で実感できたのは、ここ3~5年ぐらいです。

しかし、今は情報がネットで検索できる時代なので、お客様が求められるものも多様化してきています。
その分、僕ら美容師も、テクニックやセンスを今まで以上に磨かなければならないと思っています。美容師は技術職ですから、それが醍醐味でもあると思っています。







次世代美容師を育成するプロジェクトも主催


2015 年の春から、東京・大阪・名古屋を拠点に展開している次世代『開花』プロジェクト NEXT STEPという トレーニングプロジェクトをDADA cuBicの古城隆氏と主催しています。
日本の美容業界の技術とセンスを底上げし、次世代の美容師を育成することを目的としており、ワークショップやディスカッションを各地域を代表する美容師さんと行っています。現在約50 名が参加していますが、1年半前と比べて日を追うごとに良くなっていっているのを実感します。

美容師の根底にあるのは手に職。僕が伝えることができるものは微力ですが、常に地道なトレーニングの継続が必要なこと、美容はそんなに簡単なものではないということを知っていただき、志を高くもってもらいたい。そして、励みとして感じてくれる人が少しでも増えたらいいなと思っています。

2016年11月8日 に、東京・STAR RIZE TOWERでファイナルイベントを開催する予定です。
僕らの2年間の集大成になりますので、皆さん是非、観にきて下さい!




COVER LOOK BY
JIRO KANAYA _ snob

HAIR / JIRO KANAYA(snob)
COLOR/MICHIKO NAKANISHI(snob)
MAKE-UP/MIDORI HATAKE(snob)
FASHION STYLIST/YOSHIRO KAWASAKI
PHOTO / SHIMPEI TAMAMOTO
MODEL / HOHO TUKIHASHI


金谷 二郎

2000年、広島で1店舗を経てsnob入社。現在snob全店統括店長 兼 Art director を務める。独自のカット理論、技術を世に広めるためsnobacademy トップ講師、ショー、セミナー、業界誌等、活動は多岐に渡り活躍中。2012年、KHA 準グランプリ、三都杯グランプリ。2013年、JHA近畿エリアファイナリスト、KHA オフィシャルノミネート。2015年、次世代『開花』プロジェクト NEXT STEP をDADA cuBic古城氏と共に主催。2016 年、NEXTSTEP 継続中。来たる11月8日 @東京 STAR RIZETOWERにて2年間の集大成となるファイナルイベント開催予定!
フェイスブックorインスタグラムにて@jirokanaya情報更新中!

 

Editor

梅村 直顕

ガモウ関西 デザイン室 室長 / ディレクター。ヘアサロンからメーカー、社内広報物のWEBとグラフィックのディレクション・デザインに従事。

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