GAMO KANSAI WEB MAGAZINE

カルチャー

モデル/歌手 三戸なつめさん【INTERVIEW】

Editor

梅村 直顕

2016.08.09 Tue

オメデタイ感を大切に
みんなにハッピー伝えたい。


「三戸なつめちゃんみたいな前髪にしてください!」。
日本全国のサロンで彼女のトレードマーク、眉上バングをオーダーする女の子が急増中。


「なつめバング」が日本全国を席巻


チャーミングで個性溢れるニュータイプのアイコンは、モデルの枠を飛び越えて、今やすっかりお茶の間の顔に。同世代だけでなく、幅 広い層からの愛されっぷりは半端ない。

「私のSNSには、『子どもの前髪切りました!』と、お子さんの写メを送ってきてくれる人がいたり、『昔、同じ髪型でした』と、おばぁちゃんがモノクロの写真をアップしてタグ付けしてくれたり。そういうのを見ると、ほっこりするし、すごく嬉しいですね」

前髪を切りすぎたのは、中学一年生の時。突然の衝動にかられ、文具ハサミで思い切ってパツン! 美容師の母親には「何、その髪 型」とちょっぴり怒られたという。しかし、視界が開けただけではなく、見える心の景色もガラリと変わった。

「小学校の頃は、めっちゃ性格がネガティブだったんです。『明日、死んでしまったら…』とか、死についてすごく考えていたんですよね。当時、金八先生が大好きだったから、なんか 感化されていたのかも。でも、前髪を切ったことで自分自身の殻が破れたのか、明るくポジティブな性格になりました」

以来、一度も前髪を伸ばしたことはなく、今は1.5㎝の長さがベストなのだとか。

「できれば、おばぁちゃんになるまで、ずっとこの髪型でいきたいですね。世界で一番前髪が短いアーティストでギネスブックを目指します!」


©mer(学研プラス)



子どもの頃から表現者になりたかった


小学校の頃の夢は、漫画家になること。その後はイラストレーターかデザイナー。明確ではなかったが、「表現者になりたい」という気持ちを持ち続けていたという。高校卒業後は大阪の服飾系専門学校に進み、子ども服のデザインを専攻した。

学校帰りに街を歩いていたある日、運命は思わぬ方向に動き始める。彼女の個性的なルックスに関西の雑誌編集者が目を留めたのだ。ストリートスナップをきっかけに、2010年からは読者モデルとして活躍。

「当時は、カットモデルもやっていました。最初は何も言えなくて、『わぁ、すんごい切られちゃった』ということもありましたね」

そして、次第に関西だけではなく、「東京に行って芸能活動がしてみたい」と野望を抱きはじめた時、現事務所のアソビシステムからスカウトを受けた。

2013年に上京。青文字系ファッション誌のモデルとして瞬く間にブレイクしたが、「青文字系雑誌は、赤文字系のように世間には浸透してはいないので、メディアで自己発信する機会を作るため、アーティスト活動をやりたいと思っていました。その時、社長からも歌手をやってみないかという提案があったので、そこでもタイミングが合致しました」。

運と人を引き寄せ、チャンスをつかむ。それは天賦の才能なのかもしれない。

「今までの人生、そんな幸運の連続で生きてきました。でも、願いは必ず口にしたり、行動するようにしています」


ワンマンライブ「三戸なつめはオメデタイ」


アーティストとして世界観を広げたい


2014年、中田ヤスタカ氏のプロデュ―ス曲『前髪切りすぎた』で歌手デビュー。今年は初の全国ツアーも成功させた。

「デビューしてからは怒涛の日々で、5月にワンマンが終わって、やっと落ち着いて考える余裕が出てきました。アーティストとして、レベルアップが必要だし、自己発信力もまだ足りないと思うので、三戸なつめは『こうです』みたいな世界観をもっと広げていきたいと思っています」

まだ形にはなっていないが、歌詞もこっそり書いていると教えてくれた三戸さん。

「日記はつけていないのですが、ふとした時にポエムっぽいことを書いたりしています。イラストを描いたり、写真を撮ることも好きなので詩集のようなブックが出版できたらいいなと考えています」

東京では、ずっとONの戦闘状態。自分に甘えが出てしまいそうで、今まで実家にもあまり電話をかけることはなかったという。

「でも、最近は休みが出来たら地元、奈良に帰ろうという想いも出てきました。やっぱり、故郷はホッとできます。自分の中でバランスをとって、これからもっと頑張っていきたいと思います。あと、オメデタイ感は大切にし たい。自分がハッピーじゃないと人に伝えることはできないから」




ワンマンライブ「三戸なつめはオメデタイ」


ここからは、本誌には掲載できなかったインタビュー裏話になります。


―ファッションに興味を持ったのはいつからですか?

子どもの頃から「服は絶対、自分で選びたい」と言って、母と一緒に買いに行っていました。中学校は私服だったので、割と好き放題やっていたのですが、バレー部だったのでジャージで過ごすことも多かったですね。自転車でジャージにヘルメットで通っていました(笑)。高校に入ると、仲良くしてくれていたオシャレな先輩が京都の古着屋さんに連れて行ってくれたんです。それがきっかけで古着っていいなと思うようになりました。人と違ったオシャレをしたいというのは、ずっと変わらずに思っています。



―クリエイションの発想を得たり、センスを磨くために何かされていることはありますか?

衣装を買いに行く時に、アパレルショップは結構周ります。でも、最近のブランドの服はトレンド中心でどこも似ている感じの服が多いので、若手デザイナーの服を見るようにして、いつも刺激をもらっています。 


―もし、これから役者としてのオファーが来た時、役柄に合わせてヘアスタイルを変えてくれと言われたら?

前髪だけは守りたいですね。それでも大丈夫だったら、挑戦したいです! 今までレングスもあまり伸ばしたことはなくて基本的にボブ。本当はロングで短い前髪の人に憧れているのですが、身長が低いのでロングにするとバランスが悪くなると思ってやってこなかったんです。でも、いつかロングにしてみたいですね。



Profile / 三戸なつめ
(モデル/歌手)

1990年、奈良県生まれ。 2010年に関西で読者モデル活動を開始。 2012年に上京してからは、1年足らずでレギュラー掲載雑誌多数。その愛らしいキャラクターや笑顔 は見ている人を油断させるほど。同世代の女子から多くの支持を集め、数々の青文字系雑誌の読者 アンケートで好きな読者モデルNO1を獲得。2013年に発売された自身初のセルフプロデュース本 『なつめさん』は大ヒット作となり、2015年4月に中田ヤスタカ(CAPSULE)プロデュース『前髪切り すぎた』でアーティストデビュー。
公式サイトhttp://mito.asobisystem.com/


Editor

梅村 直顕

ガモウ関西 デザイン室 室長 / ディレクター。ヘアサロンからメーカー、社内広報物のWEBとグラフィックのディレクション・デザインに従事。

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